施工に関するQ&A

ガンテツパイルの施工に関して、Q&A 方式にて解説します。

Q 1 ガンテツパイルの施工ペースの目安を教えて下さい
Q 2 施工時に発生する残土量とその処分方法を教えて下さい
Q 3 セメントを使用していますが六価クロム溶出防止対策は
どうしているのでしょうか?

Q 4 ガンテツパイルの、近接施工や空頭制限下での施工への
適用性について教えてください

Q 5 硬質土の施工限界と補助工法での対応について教えて下さい
Q 6 セメントミルクの配合を決定する方法について教えてください
Q 7 鋼管の最大単管長の設定はどうなっているのでしょうか
Q 8 被圧地下水におけるガンテツパイルの適用性について教えてください
Q 9 重機の安定性の検討はどの様に行うのでしょうか
Q 10 ガンテツパイルの混和(添加)材の種類と
その選定方法について教えてください

※施工に関する解説の詳細は、ガンテツパイル工法協会へお問い合わせ下さい。

※文中引用文献について
 道路橋示方書 道路橋示方書・同解説 W下部構造編 (社)日本道路協会 H24.3
 杭基礎設計便覧 杭基礎設計便覧 (社)日本道路協会 H19.1
 NEXCO設計要領 NEXCO設計要領第二集 橋梁建設編 H26.7
 技術審査証明報告書ガンテツパイル建設技術審査証明事業報告書 (財) 国土技術研究センター

 
Q1:
ガンテツパイルの施工ペースの目安を教えて下さい。

A1:
 ガンテツパイルの施工ペースの目安は、下記の通りです。

 ガンテツパイルの施工時間は、地盤条件や現地での作業条件(施工ヤード制約など)、現場継ぎ手の箇所数や鋼管板厚により異なる溶接時間等により変動しますが、概略 1〜2 本/日(max 60m/日程度)になります。

 詳細は『ガンテツパイル工法 標準積算資料』によりご確認下さい。

 
Q2:
施工時に発生する残土量とその処分方法を教えて下さい。

A2:
 施工時に発生する残土量とその処分方法は、下記の通りです。

@ガンテツパイルの発生残土量について
  ガンテツパイルの施工により発生する残土は、原位置地盤とセメント ミルクが混合されたソイルセメント体であり、その発生土量は、従来の 場所打ち杭工法と比べて少なく、杭仕様や施工対象地盤、配合条件等の 施工条件によってセメントミルクの注入量に応じて変動します。
※施工条件によってバラツキはありますが、セメントミルク注入量と同 程度の残土量が発生します。
A発生残土の処分方法について
 本工法の発生残土は、セメント分を含んでいるため産業廃棄物として場外処分する
場合と、主に場内にて敷き均し土や埋め戻し土、路体盛土等へ有効活用する場合が
あります。

1) バックホウにて釜場から置き場に再集積する。
2) 1〜4日養生した残土を再びバックホウにてほぐし一次処理を行う。
3) あらかじめ残土量相当分の掘削・鋤取りした場所へ一次処理土を埋め戻す。
   の手順で行います。

    再利用の用途に応じて、室内配合試験又は現場発生土の圧縮強度、CBR値等の確認を行いその適用性を見極める事が必要になります。

 
Q3:
セメントを使用していますが六価クロム溶出防止対策はどうしているのでしょうか?

A3:
 ガンテツパイル施工における六価クロム溶出防止対策は、下記の通りです。

 ガンテツパイルの施工では、セメントまたはセメント系固化材を使用します。使用材料には六価クロムが含まれておりますが、これらを使用したガンテツパイルのソイルセメントからの六価クロム溶出値は、基準値や計量限界未満である事を多くの実績により確認しています。
 ( 基準値 : 土壌環境基準値 = 水質環境基準値 = 0.05mg/g )

  • 基準値以下となる理由
    @ 固化体の強度
    • ガンテツパイルの杭体部分(ソイルセメント柱)の実際の一軸圧縮強度は 1.0N/mm2 程度以上です。これは通常の地盤改良よりも大きく、一般に 0.1N/mm2 以上強度があればソイルセメント中に六価クロムが含まれていても溶出し難いと言われています。
    A 単位セメント量
    • 対象土1m3 あたりのセメント添加量(固化材料)が 300Kg/m3 以上とコンクリート並みであり、六価クロムを固定化し溶出し難くするに十分なソイルセメント強度となっています。
      単位セメント量の増加はソイルセメント中の六価クロムの絶対量を増す事よりも、六価クロムを固定化して溶出し難くする効果の方が大きいと言われています。
    B 固化材の性質
    • ガンテツパイルでは一般に六価クロムの量が少なく溶出量が少ない高炉セメントB種を基本として使用しています。

 
Q4:
ガンテツパイルの、近接施工や空頭制限下での施工への適用性について教えてください。

A4:
 近接施工や空頭制限下での施工への適用性は、下記の通りです。

近接施工への適用性について
  • ガンテツパイル工法は、原地盤にセメントミルクを注入し、攪拌混合して造成したソイルセメント柱と外面に突起(リブ)を有する鋼管が一体となる様に築造する工法です。施工中は現地土とほぼ同比重のソイルセメントで孔内は常に満たされているため、液圧として孔壁に作用します。したがって杭周辺地盤を緩めず近接構造物への影響が少ない工法として位置づけられています。

    杭周辺地盤を緩めない実証試験結果に記載されています。

    技術審査証明報告書 付.資料1
  • 近接施工の実績としては、既設鉄道営業線、既設高架道路、その他構造物等複数あります。
空頭制限がある場合の施工機械高さと鋼管単管長について
  • ガンテツパイル工法での機械地上高さは24〜34m程度となります。上空に高圧電線等空頭制限がある場合はリーダ長を調整して機械高さを抑える事が可能です。但し、この場合は施工可能な単管長は短くなるので、現場継ぎに要する時間等を加味したソイルセメントの配合条件の設定や、機械式継手を用いる事による施工時間の短縮等の検討が必要になる場合があります。
    ※ 最低機械高さでの施工可能な単管長は下表の通りです。

表 施工方式による最低機械高さと施工可能な単管長 (例)
施工機械 機械高さ 施工可能な単管長
施工方法下杭 中上杭
100t〜135t
三点式杭打機
15m 同時埋設方式
(TYPET)
4.0m 3.5m
後埋設方式
(TYPEU)
5.5m 4.5m

 
Q5:
硬質土の施工限界と補助工法での対応について教えて下さい。

A5:
 硬質土の施工限界と補助工法での対応は、下記の通りです。

  •  ガンテツパイルは、機械的な掘削撹拌により地盤中にソイルセ メント柱を築造して鋼管を沈設する工法です。このため、掘削撹拌装置は地盤の掘削とソイルセメントの撹拌を両立できる形状 のものを使用する必要があります。図−1に掘削撹拌装置の形 状を示します。
    ガンテツパイル掘削装置にて掘削可能な地盤は、分布深さや層序により異なります が、施工実績より概ね以下のとおりです。 ガンテツパイルの施工検討の際は、ボーリング柱状図等の詳細な地盤データをもとに個別の検討が必要となります。

     粘性土:  10<Nとなる範囲より施工能率の低下が想定され、N≒30 程度のシルト質のもので 3m 程度、粘土質のものはすべりを生じるため 1m 程度の貫入施工より極端な施工能率の低下が予想されます。
     また、支持(硬質)地盤としては、N≦150 の範囲で 1D 程度の根入れ施工が限界と判断されます。
     砂質土:  30<Nとなる範囲より施工能率の低下が予想され、N≒50 程度の場合では、5m 程度の貫入施工より極端な施工能率の低下が予想されます。
     また、支持(硬質)地盤としては、N≦300 の範囲で 1D 程度の根入れ施工が限界と判断されます。
     砂礫土:  30<Nとなる範囲で φ10cm 程度以下の礫をまばらに含む場合、施工能率の低下が予想され、N≒50 程度の場合では、3m 程度の貫入施工より極端な施工能率の低下が予想されます。N値がさらに大きく φ10cm を超える玉石等が混入している場合は、施工能率がさらに悪くなります。
     また、支持(硬質)地盤としては、玉石を含まない場合ではN≦300 の範囲、φ10cm 程度以下の玉石を含む場合は、N≦150 の範囲において 1D 程度の根入れ施工が限界と判断されます。

     中間土層に上記硬質土層が分布する場合、分布深さや層厚、地盤性状に応じてガンテツパイル施工機によるオ−ガ揉み解しや、補助工法として、ロックオ−ガ(専用機:単軸、二軸)、全周旋回掘削機械等の補助工法により先行掘削処理を行い、施工性を確保することが適当と判断されます。


 
Q6:
セメントミルクの配合を決定する方法について教えてください。

A6:
 標準配合および室内配合試験について、下記の通りです。

  • 標準配合について
     ガンテツテツパイル工法では、過去の実績より一般的な地盤において、ソイルセメント柱強度と施工性を満足できる標準的な配合条件を設定しています。

    表 標準的な配合条件
    施工仕様
     W/C 
    硬化遅延剤
      増粘剤  
    セメント量
    杭一般部
    TYPE-T
    100% 
    0〜5%
    施工長に応じて
    0〜10%
    適宣
    300kg/m3
    TYPE-U
    120% 
    300kg/m3
    杭先端部
    60% 
    1,000kg/m3

  • 室内配合試験について
     工事着工前に施工対象土質性状を確認し、原位置土を用いた室内 配合試験を行い、ソイルセメントの設計品質及び施工性を満足する 杭一般部の配合条件を決定します。
     室内配合試験の実施にあたり、ボーリング柱状図より土質性状を 確認し配合対象土を設定します。対象土質は、杭一般部の対象土質 中最も強度が出にくいと考えられる土質試料とし、互層の場合は混 合試料とします。特に、N値15以上の粘性土を含む場合や泥炭、腐 植土等の特殊土を含む場合は、ガンテツパイルの施工性(ソイル メントの流動性)やソイルセメントの固化特性に十分注意する必要 があります。
     配合条件は標準的な配合条件を基本とし、固化特性や施工性を考 慮してW/C、セメント量、添加剤等を変化させた設定とし、材齢 28日室内強度試験及び改良土の六価クロム試験、流動性試験によっ て実施配合仕様を決定します。

 
Q7:
鋼管の最大単管長の設定はどうなっているのでしょうか。

A7:
 ガンテツパイル工法における鋼管の最大単管長は、下記の通りです。

 ガンテツパイル工法における鋼管の最大単管長は、鋼管搬入に関する制約、施工機械のリ−ダ長、全装備重量、安定度、施工ヤ−ドの広さ等により設定します。鋼管の搬入やヤ−ドに関する制約がないと仮定した場合、ガンテツパイルの標準的な 28m のリ−ダ長において施工可能な最大単管長は、下杭では施工機械の安定度より 11m〜15m(鋼管外径・板厚により異なる)、中杭・上杭では施工機械のリ−ダ長より 16.5m となります。

但し、施工機本体・クローラクレーンの作業ヤードが十分確保でき、施工機本体が走行せず旋回にて杭芯セットが可能な現場条件の場合、下杭のみ φ800 で 18m、 φ1000 で 17mまで単管長を伸ばす事が可能です。
−注意−
 単管長が長くなった場合、現場搬入までの通行経路や、通行時間帯に制約が発生する場合があり、注意を要しますので十分な事前打合せが必要です。

 
Q8:
被圧地下水におけるガンテツパイルの適用性について教えてください。

A8:
 被圧地下水におけるガンテツパイルの適用性は、下記の通りです。

 @  ガンテツパイルは、「 道路橋示方書・同解説W下部構造編(社)日本道路協会 平成24年3月 P613 参考資料 6. 基礎形式の適用性 」において、鋼管ソイルは地表より 2m以上の被圧地下水への適合性は低いと分類されていますが、この表は標準的な条件における適用性の目安を示したもので、過去の施工実績も加味して定めております。

 A  ガンテツパイルは、鋼管ソイルメント杭に関しては、現地土に直接セメントミルクを注入、混合撹拌し現地土とほぼ同等の比重であるソイルメントにしながら施工するため、被圧地下水に対して抵抗できる場合も多く、比重と被圧のバランスを考慮した検討などを行えば一概に適用できないということにはなりません。

 B 杭施工深さや被圧地下水の分布深さにより対応可能な被圧水頭高さは変わってきますが、被圧水頭が 施工基盤面+7.6m という条件下での施工実績があります。

   被圧地下水条件下におけるガンテツパイルの施工実績を下表に示します。
 地域  地盤条件  施工内容
1) 宮城県 被圧水頭     :GL+5.5〜7.6m
帯水層上面深さ  :GL-60〜70m
帯水層      :砂礫(支持層)
杭径 Φ1000mm
杭長 47.0〜66.0m
2) 島根県 被圧水頭     :GL+1.5m
帯水層上面深さ  :GL-30〜-45m
帯水層      :砂礫(支持層)
杭径 Φ1000mm
杭長 42.2〜43.4m
3) 福井県 被圧水頭     :GL+3.0m
帯水層上面深さ  :GL-33〜-35m
帯水層     :砂層
杭径 Φ 800mm
杭長 33.0〜38.0m
4) 長野県 被圧水頭     GL+2.5m〜+2.7m
帯水層上面深さ  GL-27m〜-41m
帯水層      :細砂(支持層)
杭径 Φ1000mm
杭長 25.0m
5) 神奈川県 被圧水頭     GL+3.7m〜+6.5m
帯水層上面深さ  GL-26m
帯水層      :砂礫(支持層)
杭径 Φ1200mm
杭長 42.0m

 
Q9:
重機の安定性の検討はどの様に行うのでしょうか。

A9:
 重機の安定性の検討は、下記の通りです。

  • 施工機械の安定度
     ガンテツパイル施工機(クロ−ラ式杭打機)は、リ−ダを有する搭状の施工機械で、装備する掘削装置や杭材によりその重心は高位置となります。このため、転倒に対して安全な安定度(安定性)を有することが「 車両系建設機械構造規格 」にて「 水平かつ堅固な面の上で5度まで傾けても転倒しない前後及び左右の安定度を有するものでなければならない 」と規定されています。
     安定度は、機体の重心と転倒支点を結ぶ直線が、重心を通る垂直線となす角をもって表し、各現場での作業条件に応じて検討し、装備重量や最大接地圧と併せて施工機メ−カ−にて算定することが一般です。

  • 地盤養生
     施工機の安定度検討の結果算出される最大接地圧に対し、施工基盤の地盤反力は上回る必要があります。地盤反力が不足する場合は、表層部を地盤改良することにより養生することが必要となります。

 
Q10:
ガンテツパイルの混和(添加)材の種類とその選定方法について教えてください。

A10:
 ガンテツパイル工法で使用する混和(添加)材は、下記の通りです。

 ガンテツパイル工法で使用する混和(添加)材は、施工性を高める手段として、施工方法、施工条件、土質条件によって適宜選択しますが、一般に下記添加材を目的に応じて使用します。
@ 硬化遅延剤施工時間が長くなるとセメントの凝結が進行し、鋼管の埋設に支障が生じるので硬化遅延剤を添加し、セメントの凝結を抑制する添加材料です。
A 増 粘 剤砂・砂礫等、透水性の地盤での施工時に掘進抵抗が上昇する場合等に使用します。一般にセメント質量の 0.1% 程度以下の範囲で使用します。
B ベントナイト増粘剤と同じ用途です。
使用量は、セメント質量の 10% 程度以下の範囲です。
増粘剤とベントナイトの選定は、使用量やプラント設備の機械条件、現場までの輸送条件、経済性を考慮して判断します。
C 流 動 化 剤高粘性地盤での施工時に掘削抵抗が上昇する場合に使用します。使用量は、室内配合試験により設定します。
硬化遅延剤(ポゾリスNo.89またはフローリックER-2の場合)の標準使用量
掘削長
(m)
 15以下   15〜30   30〜45   45〜60   60以上 
使用量
(セメント質量比)
 TYPET 
なし 1.5% 3.0% 4.0% 5.0%
 TYPEU 
1.5% 3.0% 3.0%
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